こたび録。

都内から一人旅

竹芝ー新島(日帰り)

2023年、あけましておめでとうございます。


年末年始のあれこれも済み、ありがたい3連休。
天気もよさそうなので、思い立って新島へ。


今回はともかく伊豆諸島のどこかへ行ってみることと、
夜行の大型客船に乗ってみることが目的。


大島では近すぎる気がして、ぎりぎり日帰りでも行けるかもと
新島を目的地に。
島での滞在時間は3時間ちょっと。


伊豆諸島に興味を持ったのは何年も前で、
その間にはガイドブックを眺めドラマ「東京放置食堂」も見て、
東京の島への夢とロマンが膨らみ、
この隙間タイミングに、ちょっとの時間でも、
とにかく行ってみようとなった。


ということで、
当日に東海汽船のインターネットで予約したのは、


行きは竹芝から新島まで夜行の大型客船、
朝8時半頃に新島へ着き、昼過ぎまで滞在。


帰りは12時前に新島を出発、大島までは大型客船、
大島からはジェット船に乗り換えて竹芝まで。


こんな旅程。


日曜の夜、19時半頃自宅を出発。


JR浜松町駅から竹芝客船ターミナルへと歩く。


夜の竹芝桟橋。月が出ていた。



まずはカウンターで予約番号を伝え、チケットを発券してもらい、
出航まで待合室で待機。
ターミナルの中は、家族連れなど結構な人で賑わっていた。


初めての船での夜行旅。少し緊張。
慣れていそうな人について行く感じで乗り込む。


2等和室の自分の場所に荷物を置いて、さっそくデッキに出てみる。


まさに大都会東京。



だんだん遠ざかる。



寒くなってきたので部屋に戻り、
1枚100円の毛布を2枚借りて就寝。


定員10名ほどの部屋には私を含め4人しかおらず、
窮屈さを感じることもなく横になり、23時30分、消灯タイム。


一度目が覚めたのは4時半頃。


デッキに出てみると、真っ黒な夜の海面を月の光が照らす
壮大で幻想的な景色。
なんとも言えず厳粛な気持ちになる。


部屋に戻ってもう少しうとうとしていると、
外が明るくなってきたようなので、またデッキに。


日の出。壮大すぎて、自分が実際に目にしていることが嘘のよう。



大島が見えてきた。



ずっとデッキで外を見ていたかったけれど、
寒いのと、けっこうな揺れで船酔いの危険を感じたので、
部屋に戻って横になる。


大島から新島まで、2時間ほど。


新島。前浜港へと入っていく。



竹芝を出発してから10時間、午前8時30分過ぎ、新島に到着。
一緒に下船した人々は港で待っていた車に乗り込み、どこかへと去っていった。


取り残された感じで待合所に入る。
カウンターや売店もまだ開いておらず、誰もいない。


船酔いと寝不足でふらふらしながら、待合所2階のスペースでしばし休憩。
目の前にはただただ青い海と海岸。


思いつきでこんなところまで来て、
自分は一体何をやっているんだろうと、心細くなる。


しかし、揺れない地面のありがたさよ。


しばらくそこでぼーっとしていたら、少し元気が戻ってきた。
静かで何もないことが、心細さから落ち着きに変わってくる。


2時間くらいあれば、集落まで行って来られるかも。


気を取り直して外へ出る。
外は、とにかくすごい風が吹いている。


港の横の海岸。



モヤイ像。ここは渋谷とつながっているのか。



道の先には海。



強い西風に休むことなく吹きつけられながら、集落まで歩く。


有名なコーガ石のブロック塀や建物を見ることができた。
そうと知らなければ、コンクリートと思ってしまっただろう。


街の中心部と思しきところまで来たけれど、
オフシーズンのせいか、観光客らしき人は見かけなかった。
(反対側の海岸に行けば、サーファーがいたのだろうか)


とにかく風から逃れたくて、開いている土産物店に避難。
風がない空間ってありがたい。
何か買おう。


ガイドブックにも載っていた、
80年代から売れ残っていると思しきちょいダサかわいいお土産物。
それと、地のりを買う。


そろそろ港に戻る。


こんなに晴れているのに万が一欠航になったらどうしようと、

あらぬ心配をしつつ、
カウンターで大島から竹芝までのジェット船のチケットを発券、
大島での乗り換えは難しくないですかと窓口の方に確認。


売店で、必ず買いたいと思っていた新島ガラスのグラスと、おきまりのくさやを買う。


待合所で船を待っていたのは、地元の方が数人と、釣り人らしき男性一人。
その他の人は、港の駐車場に停めた車の中で待機していて、

乗船開始になると出てきて乗り込む。



たのもしい姿のさるびあ丸。
晴れていて穏やかに見えるが、びゅうびゅうと風が吹きつけ続ける。



出航。



揺れています。



現実感がなくなるほどワイルドな島の姿。




帰りもかなりの揺れで、ほぼ横になって過ごす。
背中に海原のうねりを感じながら、うとうと。


乗り換えで降り立った大島はかなりの賑わいで、
すでに都会に戻ってきたような雰囲気。


ジェット船はほぼ満席。
2時間弱で竹芝に到着。
海の他はビルしか見えない、これまた不思議な世界へと戻ってきた。



竹芝ターミナルから浜松町駅への歩道で。




タイムスリップしてきたようなお土産。



新島ガラス。天然の色。