こたび録。

都内から一人旅

2023年春 沖縄(写真で振り返る)



2023年4月3日~5日。

沖縄ではうりずんと呼ばれる季節。

うりずんの語源は「潤い初め」らしい。

その言葉通り、写真からもみずみずしさが溢れ出している。




到着初日は、那覇からバスで斎場御嶽へ直行。

何を隠そう初めての斎場御嶽。





御嶽へのお参りを終え、売店で海を見ながらサーターアンダギー。


その後、南城市のホテルへ向かうためバスを待つ。

太陽の眩しさに目を細めながら、この光を求めてたんだ、と心の中で叫ぶ。


バスは海を見下ろす夢の架け橋のようなニライカナイ橋を通って、ホテル近くに到着。


温泉付きのホテル。

夕暮れ時の海を遠目に見ながら温泉に浸かる。

贅沢を通り越してもはやこの世のものではないような心地。




翌日。

予定していた久高島行きのフェリーが欠航になり、南城市役所でもらったバスの時刻表を片手に知念岬。

強い風に吹かれながら、何ひとつ遮るもののない青々とした海を見渡す。


その後は車で渡れる離島、奥武島へ。

地元の子供たちは海に飛び込んだりして元気いっぱい。

観光客もたくさん。

てんぷらやさんが人気らしい。

みんな暑くて日陰で休んでる。


またニライカナイ橋を渡って早めにホテルに戻り、上階のラウンジで休憩。



浮世の憂さを溶かしてくれるような海の色。




翌朝。

昨日は欠航だった久高島行きのフェリーが出るというので、慌ててホテルをチェックアウト、港へ向かう。




久高島はやはり特別な島だと思う。

集落に入る前に、皆が島の入り口の御嶽でお参りをしていたので、列に並ぶ。

来れられたことのお礼を伝える気持ちでお参りした。




浜へ下りる道。

リーフが白く波立っているのが遠目に見える。


この後、島の先の岬まで1本道をひたすら歩き、また同じ道を引き返して港近くまで戻ったが、あまりの暑さに売店でかき氷をいただいた。

畳敷きの小上がりで食べるかき氷のおいしかったこと。ぐったりと畳に横たわっている人がいるほど暑かった。


フェリーに乗り混んだ頃からだんだんと雲が出てきて、安座真港に着いた頃にはぱらぱらと雨が降り出して肌寒いくらいになっていた。

そのままばたばたと空港へ。


すっかり夜になった那覇空港で滑走路の明かりを見ながら、紅いもソフトを食べたのだったか…


いつの間にかあれから1年が経ったらしい。

何だか遠い昔のように感じる。

またこの季節に訪れられますように。

沖縄へ日帰り初詣


1月の中旬、日帰りで沖縄に行ってきた。


* * *


たまたまつけていたテレビのETV特集で知った、
沖縄県立博物館・美術館で開催されていた平良孝七展。



番組は、沖縄の写真家・石川竜一氏が、
平良孝七という沖縄戦後写真界の先駆者の人生をたどり本島から八重山まで、
写真を撮りながら足を運ぶというもの。


展覧会の会期は1月15日まで。
最終日なら間に合うかもと思うと、
どうしても行きたい、観たいという気持ちに。


何か、沖縄に行く理由が欲しかったのかもしれない。
駆り立てられるように日帰りでチケットを取る。
往復¥15,440と格安だった。
初めての冬の沖縄。


早朝に出発して成田へ向かう。


Peach 8:20発→12:00着


那覇空港からすぐにモノレールで「おもろまち駅」へ。


かろうじて降ってはいないけれども、
いつ降り出してもおかしくないような曇天。


風も冷たく、薄手のダウンでちょうどいいくらいだったが、東京に比べれば、やはりかなり暖かい。




「平良孝七展」は最終日とあってか、多くの人が訪れていた。


濃密な写真展を見終えて、
2階のカフェ「カメカメキッチン」へと向かうも
ほぼ満席のためあきらめ、
ひとまず那覇の中心部へと移動しようと、ゆいレールの駅まで戻る。


駅に着いたあたりで、しとしと雨が降り出した。


どこへ行こうかと思案しているうちに、
そういえば以前、知り合いから波上宮のお守りをもらったことがあり、
いずれ行ってみようと考えていたのを思い出し、
場所を調べてみる。


ちょうど行けそう。
沖縄で初詣ができるなんて、とうれしくなった。


波上宮の最寄駅「旭橋」で下車。
ここまで飲まず食わずで、かなりおなかが空いていた。


モノレールを降りると、
何かとても近代的(近未来的?)なビルに
駅直結でつながっている。
リニューアルオープンした「那覇OPA」らしい。


ここで何か食べようと、しばらくうろうろ。
空腹のせいか頭が回らず、なかなか決まらない。


外のデッキを歩いていると、
風が強くてつらくなってきた。
目立つところに、なじみのある「星乃珈琲店」の文字。
全国チェーンのお店に入って、ほっとする。


サンドイッチ&コーヒーを注文。
一息ついて、Googlemapで道順を確認、波上宮へと向かう。

雰囲気のある街角。ふと沖縄っぽさを感じる。


高台にある波上宮から見た風景。
左手に行くと波の上ビーチ。


おみくじも引いてみました。


参拝客で賑わう境内でのお参りを終えて、
すぐ近くの「波の上ビーチ」へ。


お宮を下ったあたり。沖縄を感じる植物。


波の上ビーチから、波上宮のほうを望む。


ビーチは静かで、人もちらほらとしかいない。
帰りの飛行機までは、もう少し時間がある。


以前何度か行ったことがあるお店で、
できればまた行きたいと常々思っている喫茶店があり、
国際通り沿いだったから行ってみればわかるはずと、
歩いて向かってみることにする。



ラッピング列車。慌てて撮ったのでピンボケ。



国際通りに着いて歩きながら
お店の情報を調べていたら、
どうやら今日はやっていないらしい。


あきらめきれずお店の前まで行ってみて、
シャッターが下りているのを確認。
また次に来れたらいいな。


冬のせいかコロナのせいか、その両方と思われるが、
閉まっているお店も多く、人も少ない夕暮れの国際通りにしばし佇む。
所在なく、心細い気持ち。


おみやげ屋さんに入り琉球ガラスを少しだけ見て、
結局買わず、そろそろ空港へと戻ることにする。


出発までの時間、売店で簡単なものを買って食べながら、すっかり暗くなった滑走路を眺めて過ごす。


観光ムードのあまりない沖縄も、貴重な体験かもしれない。


Peach 19:45発→22:15着


成田から都内への移動は、最終便ぎりぎり。
日付が変わってから自宅に到着した。



物静かな国際通り。夏には人でごった返しているはず。



*    *    *

竹芝ー新島(日帰り)

2023年、あけましておめでとうございます。


年末年始のあれこれも済み、ありがたい3連休。
天気もよさそうなので、思い立って新島へ。


今回はともかく伊豆諸島のどこかへ行ってみることと、
夜行の大型客船に乗ってみることが目的。


大島では近すぎる気がして、ぎりぎり日帰りでも行けるかもと
新島を目的地に。
島での滞在時間は3時間ちょっと。


伊豆諸島に興味を持ったのは何年も前で、
その間にはガイドブックを眺めドラマ「東京放置食堂」も見て、
東京の島への夢とロマンが膨らみ、
この隙間タイミングに、ちょっとの時間でも、
とにかく行ってみようとなった。


ということで、
当日に東海汽船のインターネットで予約したのは、


行きは竹芝から新島まで夜行の大型客船、
朝8時半頃に新島へ着き、昼過ぎまで滞在。


帰りは12時前に新島を出発、大島までは大型客船、
大島からはジェット船に乗り換えて竹芝まで。


こんな旅程。


日曜の夜、19時半頃自宅を出発。


JR浜松町駅から竹芝客船ターミナルへと歩く。


夜の竹芝桟橋。月が出ていた。



まずはカウンターで予約番号を伝え、チケットを発券してもらい、
出航まで待合室で待機。
ターミナルの中は、家族連れなど結構な人で賑わっていた。


初めての船での夜行旅。少し緊張。
慣れていそうな人について行く感じで乗り込む。


2等和室の自分の場所に荷物を置いて、さっそくデッキに出てみる。


まさに大都会東京。



だんだん遠ざかる。



寒くなってきたので部屋に戻り、
1枚100円の毛布を2枚借りて就寝。


定員10名ほどの部屋には私を含め4人しかおらず、
窮屈さを感じることもなく横になり、23時30分、消灯タイム。


一度目が覚めたのは4時半頃。


デッキに出てみると、真っ黒な夜の海面を月の光が照らす
壮大で幻想的な景色。
なんとも言えず厳粛な気持ちになる。


部屋に戻ってもう少しうとうとしていると、
外が明るくなってきたようなので、またデッキに。


日の出。壮大すぎて、自分が実際に目にしていることが嘘のよう。



大島が見えてきた。



ずっとデッキで外を見ていたかったけれど、
寒いのと、けっこうな揺れで船酔いの危険を感じたので、
部屋に戻って横になる。


大島から新島まで、2時間ほど。


新島。前浜港へと入っていく。



竹芝を出発してから10時間、午前8時30分過ぎ、新島に到着。
一緒に下船した人々は港で待っていた車に乗り込み、どこかへと去っていった。


取り残された感じで待合所に入る。
カウンターや売店もまだ開いておらず、誰もいない。


船酔いと寝不足でふらふらしながら、待合所2階のスペースでしばし休憩。
目の前にはただただ青い海と海岸。


思いつきでこんなところまで来て、
自分は一体何をやっているんだろうと、心細くなる。


しかし、揺れない地面のありがたさよ。


しばらくそこでぼーっとしていたら、少し元気が戻ってきた。
静かで何もないことが、心細さから落ち着きに変わってくる。


2時間くらいあれば、集落まで行って来られるかも。


気を取り直して外へ出る。
外は、とにかくすごい風が吹いている。


港の横の海岸。



モヤイ像。ここは渋谷とつながっているのか。



道の先には海。



強い西風に休むことなく吹きつけられながら、集落まで歩く。


有名なコーガ石のブロック塀や建物を見ることができた。
そうと知らなければ、コンクリートと思ってしまっただろう。


街の中心部と思しきところまで来たけれど、
オフシーズンのせいか、観光客らしき人は見かけなかった。
(反対側の海岸に行けば、サーファーがいたのだろうか)


とにかく風から逃れたくて、開いている土産物店に避難。
風がない空間ってありがたい。
何か買おう。


ガイドブックにも載っていた、
80年代から売れ残っていると思しきちょいダサかわいいお土産物。
それと、地のりを買う。


そろそろ港に戻る。


こんなに晴れているのに万が一欠航になったらどうしようと、

あらぬ心配をしつつ、
カウンターで大島から竹芝までのジェット船のチケットを発券、
大島での乗り換えは難しくないですかと窓口の方に確認。


売店で、必ず買いたいと思っていた新島ガラスのグラスと、おきまりのくさやを買う。


待合所で船を待っていたのは、地元の方が数人と、釣り人らしき男性一人。
その他の人は、港の駐車場に停めた車の中で待機していて、

乗船開始になると出てきて乗り込む。



たのもしい姿のさるびあ丸。
晴れていて穏やかに見えるが、びゅうびゅうと風が吹きつけ続ける。



出航。



揺れています。



現実感がなくなるほどワイルドな島の姿。




帰りもかなりの揺れで、ほぼ横になって過ごす。
背中に海原のうねりを感じながら、うとうと。


乗り換えで降り立った大島はかなりの賑わいで、
すでに都会に戻ってきたような雰囲気。


ジェット船はほぼ満席。
2時間弱で竹芝に到着。
海の他はビルしか見えない、これまた不思議な世界へと戻ってきた。



竹芝ターミナルから浜松町駅への歩道で。




タイムスリップしてきたようなお土産。



新島ガラス。天然の色。