こたび録。

都内から一人旅

沖縄1泊2日 美術館と鍾乳洞

梅雨に入ったと思ったら、もう夏とは…


3か月前、東京はまだまだ肌寒く、
夏の気配を少しでも感じたい、と沖縄へ行ってきた。



LCCも増え、以前に比べると
沖縄はずいぶん近くなったように感じる。


3連休の日曜出発、月曜戻り。


その週の木曜日くらいに、
もしかしたら行けるかも?と
飛行機とホテルをポチポチ検索、そして予約。


いつもは、旅といっても目的もなく、
「ふらっとどこかへ行くだけ」のことが多いけれど、
今回は1つ目的があり、それは鍾乳洞へ行ってみること。



*  *  *



出発日。


ほぼ始発の電車に乗り、三田で乗り換え、
アクセス特急で成田第1ターミナルへ。


春休みに入ったところだったのか、
学生さんや卒業旅行と思しき人たちで成田空港も賑わっている。


早めに着いたので、朝ごはんと機内用のおやつなどを
売店で購入。


待合所の沖縄行きの人たちの華やかな様子を見て、
もう少しきちんとした格好で来ればよかったかなと、
旅の気分の盛り上げ方について思いを巡らせたりしながら
おにぎりを食べつつ、搭乗を待つ。



8時10分発。
peachで那覇に行くのは初めて。


座席は少し狭いように感じたが、
正面がタッチパネルになっていて、
それをおそるおそる操作して機内販売を見たり
(Peachオリジナルグッズが魅力的)、
うたた寝したりしているうちに、那覇空港に到着。



本当に沖縄に来たんだ…と、
近かったような、遠くまで来たような、不思議な感覚。



機長のアナウンスが、ところどころダジャレを交えたりして
特色を出しているのだと思われるが、意表を突かれて面白かった。




*  *  *



久しぶりの那覇空港。
まずは、それだけでも嬉しい。


湿気たっぷりの風とまぶしさに目を細める感じ…


気持ちを噛み締めながら、ゆいレール乗り場へ。


今回は、人の多そうな国際通り周辺は避けて
初日は沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)の予定。


那覇の中心部はビルばかりだが、
少し離れると、モノレールの窓から
深い緑がところどころに見えてくる。


やがて到着したおもろまち駅で降り、
まずはホテルにチェックイン。


駅から徒歩5分ほどの、
「アルモントホテル那覇おもろまち」。


ビジネスホテルだけれど、リゾート風味もある、綺麗なホテル。
朝食付きのプラン。


荷物を置いたら、さっそく歩いておきみゅーへ。



そこらへんに生えている植物の葉っぱが、みんな大きい。
ハイビスカスやブーゲンビリアもあちこちに咲いている。


夏っぽい感じを、貪欲に吸収。



この道の先に、おきみゅーと新都心公園が




おきみゅー入口



明るく静かな館内で、博物館の常設展をゆっくり見てまわる。


沖縄の自然・歴史・文化を多方面から知ることができ、
一度では見きれないほど充実した展示。


ここへ来るのは2度目か3度目だけれど、
来るたびに毎回、また来ようと思う。


展示室を出て、ミュージアムカフェ「カメカメキッチン」へ。
(「かめかめ」とは沖縄で「食べて食べて」の意味だそう)



上がカメカメキッチン、下はミュージアムショップ







遅めの昼食、カレーとデザートのランチセット。見ての通りのおいしさ




店内の本棚には、自由に読める写真集や沖縄の雑誌も





居心地良く、明るい店内



ごはんも食べて落ち着いたので、
ミュージアムショップを少し見てから、
おきみゅーを出て周辺を散策。


隣には、広々とした新都心公園があり、
ピクニックをしたり、ランニングをしたり、
みんなが思い思いに休日を過ごしている模様。


こうした風景は、東京の公園と変わらない。



少し歩いたところで、なんだかとてもおいしそうな
「バナナパラダイス」というお店を発見。


入ると、バナナのいい匂いがお店に充満している。


小分け売りがなく、おなかもいっぱいだったので
今回は買わなかったけれど、
いつか食べてみたいバナナパン。
(那覇空港にも売っているとのこと)



そこら辺をうろうろしている間に、夕方になってきた。
それでもまだ、じゅうぶん明るい。


夕ご飯をがっつり食べるほどまだおなかがすかないので、
とりあえず「サンエー那覇メインプレイス」に入る。


那覇市で最大の商業施設とのこと。
洋服も食品も家電もカフェも、そして映画館も、なんでもある。


一通り見物して、
1階のパン屋さんで2、3個、菓子パンを買ってホテルへ。


上階にある大浴場の広いお風呂にゆっくり浸かり、
部屋に戻って窓からの景色を眺めながら
パンを食べ、就寝。




*  *  *




翌朝、ホテルの朝食バイキング。


どれもこれもおいしくて、ちょこちょこと少しずつ
たくさんの種類を食べた。


(おいしすぎて、写真を撮るのを忘れてしまった)



腹ごしらえも済んで、早めにホテルを出発。



まずは宜野湾市の「佐喜真美術館」を目指して、
おもろまち駅のバス停へ。


乗り場がいくつもあってかなり迷ってしまったが、
見当をつけて乗り込み、運転手さんに行き先を確認。


上原のバス停で降りる。



普天間基地のすぐ脇、一部返還された土地にある私立美術館。


沖縄本島に来たときには、ときどき訪れて
『沖縄戦の図』の前にしばらく座ることにしている。


沖縄の人に、興味があれば行ってみてと言われたのがきっかけだったが、
ここに来て、絵の前で静かに自分と向き合う時間が
大切なものになった。




常設展以外に、今回はルオーの展示が見られた。
こぢんまりとした温もりのある美術館の建築のせいか、
絵との心の距離も近く感じる。



帰り際、美術館の方が基地のことについて少し話をしてくれた。
機会があったら、6月23日にも来てみてくださいと。



静かな佇まいの美術館



屋上の階段は、慰霊の日に太陽が沈む道だそう



屋上階段の先から見える基地



庭にも作品が。やわらかな形になごむ




美術館を後にして、最後の目的地、鍾乳洞へ向かう。



「沖縄の鍾乳洞を見てみたい」
と思うようになったのは、1冊の本がきっかけ。


『南の島のよくカニ食う旧石器人 』(藤田祐樹・岩波書店)


この本を読むまで、沖縄に鍾乳洞がたくさんある
ということさえ知らなかった。


しかし、この本を読んでいるうちに
古代のロマンを求める気持ちに火がついたのか、


「旧石器人の痕跡に触れてみたい」
「鍾乳洞を見てみたい」


と思うように。



目指すは「おきなわワールド」の玉泉洞。
なんといっても、やはり沖縄で一番有名な鍾乳洞。


南部行きのバスの経路をスマホで検索、
来た時のバス停ではなく、乗り継ぎの良い路線のバス停まで、
歩いてみることに。


Googlemapを見ながら、坂を上ったり下ったり、
知らない道で迷うというのも旅ならではかも。


約束があるわけでもなし、
危険そうな場所でもなく、
思う存分、迷子を満喫。


15分程度と出ていた道を、
1時間以上うろうろしたのち、ようやく到着。



高速バス停「中城」。ハイウェイっぽい開放感





国場交差点



バスの乗り継ぎに時間があったので、
何か食べようと近くを歩いていると、
仲井真交差点付近にて、良い雰囲気のカフェを発見。


「手作りアップルパイ」ののぼりに引き寄せられる。


入ってみると、かなりの賑わいで
活気にあふれている店内。


高校生らしき若い子からお年寄りや家族連れまで、
いろんな人が食事したり、
レジでテイクアウトの注文をしたりしている。


店員さんも感じが良く、人気のお店のよう。


ここで食事してみたいと気持ちが盛り上がるが、
それほど時間の余裕がなかったので、
アップルパイだけ、テイクアウトで買って出る。



バス停近くの川のほとりのベンチに腰掛けて
手作りアップルパイを噛み締め、
やがて来たバスに乗り込んで、玉泉洞へ。



たしか、ここは、高校の修学旅行で来たような…
すっかり忘れていたけれど、
人生2度目の「おきなわワールド」。



入口に大きなシーサー。昔ながらの観光施設



ザ・鍾乳洞



有名な青の泉。高校時代の記憶が蘇ってきた



全長5km、一般公開890mの鍾乳洞を歩く。


ぽたりぽたりと水が落ちてきて、
人間とはまったく違うスケールで流れる時間について
思いを馳せる


出たところで、鍾乳洞の水が飲めたのがうれしかった。



ここは、「おきなわワールド」というだけあって、
鍾乳洞以外にも、いろいろと見どころや体験設備がある。


今回は、ちら見だけして出口へ向かう。



「おきなわワールド」を出て、道を挟んだ向かいには、
これまた有名な「ガンガラーの谷」。


本に出てきたのも、こちらの遺跡の話だった。


かなりの人気らしく、人がいっぱいで、
係の人も忙しそう。


本で見て、おおっと思った「ケイブカフェ」を外から見て、
雰囲気だけ味わう。



鍾乳洞を利用したカフェ




鍾乳洞も無事に見られ今回の目的を果たしたので、
空港に戻る前に一度、海を見ておきたい。


Googlemapで港川の海岸までのルートを検索。


徒歩30分くらい。



写真だとほぼ見えないほど遠くにある海



誰も歩いていない道を、30分かけて下っていく。



海に到着



海辺の港川公園にて、少し休憩。


このあたりでも旧石器人は生活していたのだろうか
と想像してみる。


そしてまた、来た道を歩いて戻る。


曇天でエメラルドグリーンの海とはいかなかったけれど、
歩くには暑すぎず、ちょうどよかった。





玉泉洞前のバス停から、那覇方向へ




しばらく待ってバスに乗り込み、
あとは終点の空港まで揺られて行くのみ。



空港が近づくにつれ、少し晴れ間が出てきた。



眩しい夕暮れに名残を惜しみながら、帰途へ。




空港間近。バスの窓から

日帰り箱根湯本 カフェと温泉

1月下旬。


雑誌で森のカフェ特集を見て、箱根湯本の駅近くなら行けるかもと
天気の良い日、思い立って出かけることに。


いつものように横浜で乗り換え、小田原からの箱根登山鉄道。
平日の昼間で人はちらほら、静かなホーム。



赤い列車を見ると少し旅の気分に



移動していくにしたがって、
知らずしらずに溜まっていた日常の疲れがとれていくような気がする。



山が見えてくると一気に旅の中へ




静かな箱根湯本の駅前



カフェを探して少し歩く。
まだ寒い日でも、空気が澄んでいて散歩日和。


間違えて遠くまで行ってしまったけれど、本当に駅のすぐ近く、
早川沿いにひっそりとある、Cafe Timuny.


おしゃれな佇まいに、少し緊張しながら扉を開けると、
店内は想像していたよりカジュアルな感じで、堅苦しくなさそう。


店員さんも若い人で明るい雰囲気、案内された2階席には、
これからの予定を相談しているカップルや女性同士のお客さんが何組か。


窓際のカウンター席へ。



自家製チーズケーキとコーヒーのセット



奥に喫煙室があり、窓の外は早川



ゆっくり読書をしようと思って本を持ってきていたけれど、
ケーキを食べながら1章分だけ読んで、あとは川の音を聞きながらぼうっとしたり、
窓の外や店内の様子をきょろきょろ見たり、雰囲気を味わう。


しばらくそうして過ごしたのち、その後のことは何も考えていなかったけれど、
できれば温泉に浸かりたい。


駅の近くの日帰り温泉。
前から気になっていたところがあり、徒歩で行けるそこへ今日は行ってみようと、
何となく決めて、お店を出る。




この駅の背の山にある



穴場でもあるようなので名前は出さないけれど、昔ながらの渋い温泉施設。
お湯がいいとの口コミ。


露天風呂はほぼ貸切、口コミ通りの新鮮なお湯にたっぷり浸かることができた。


箱根の山と一体化できるような野趣のあるお風呂、とてもよかった。



湯上がりに休憩室でジュースを飲みながら



半日だったけれどゆっくりできた一日、日も暮れてきた。


帰りの電車に乗る前に、前から気になっていたもう1つ、
駅前通りにある老舗の温泉まんじゅうを買いに。


試食がおいしくて、次来たら買うと決めていたのだ。



素朴な味で何個でも食べられそう



電車を待つ間に、さっそく1個ぱくり。
やっぱり美味しい。



早川と箱根の山々


また来ますと心の中で言いながら、帰途に。




*Cafe Timunyが紹介されていた、見るだけでも楽しい森のカフェ特集の雑誌
森のカフェと緑のレストラン

鎌倉泊・明月院

2月は、鎌倉へ。


都内で仕事を終えてから、その足で向かう。


まずは、鶴岡八幡宮へご挨拶。



なんとなく『鎌倉ものがたり』の雰囲気。



空気が澄んで、月がきれいに。



帰っていく巫女さん方の後ろ姿。



海に近いお宿にチェックイン。
素泊まりで、夕食は駅で買ったお弁当などを。



落ち着いた和室の布団で眠りにつく。



明け方に目覚め、バルコニーからの眺め。
水平線の向こうから新しい日のはじまり。



海の色もだんだんと明るく。
でもまだ、静かな朝の空気。



日が高くなるにしたがって、少しずつ活気づいてくる。




北鎌倉方面へとぶらぶら、いきあたりばったりで、明月院へ。


写真には撮れなかったけれど、
門によじ登る野生のリスを見られて、テンションが上がる。



有名な(というのは後で調べて知ったが)「明月院やぐら」。
中世の空気がそのままそこにあるよう。



花想い地蔵。
出会いと別れの儚さ、思い出の美しさを花になぞらえ思いを馳せる。



梅が咲き始めていました。



隅々まで手入れされた枯山水の庭園。




有名な悟りの窓。
見ていると何か特別な心持ちになってくる。



都会にばかりいるせいか、竹の奥の壁がコンクリでないことに感動。



門を出たところの水路。
初めて来たのに、なんだか懐かしいような気持ちに。




線路を渡り、北鎌倉の駅へ。




* *